人が心地よく感じる形
人は直線よりも曲線の方が心地よく感じるようです。特に自然界にある曲線に心地よさを感じるということです。
ただ、直線でも、目や口の形に似ているものは例外。強く反応してしまうと言われています。それは、脳が顔を認知する脳細胞が非常に発達しているからだそうです。
顔を取り入れたデザイン
人の脳には顔だけに反応する細胞があるそうです。ですので、顔を取り入れたデザインは、脳がもっとも好むデザインということができるようです。
例えば、顔入りの名刺は非常に効果的です。チラシやリーフレットにもスタッフやオーナーの顔写真を入れるとより効果がでるかもしれません。
ただし、病的だったり無表情だったりすると逆効果だそうなのでご注意ください。
参考資料『デザインを科学する 人はなぜその色や形に惹かれるのか』(サイエンス・アイ新書)
お洒落なデザイン 男女差
- 男…ダークな色
- 女…明るい色でもお洒落と捉える
お洒落と感じるデザインは男女で多少の差があるようです。
色では、ダーク、ダルなど暗い落ち着いた色での展開が男女ともにお洒落なイメージを感じと言われていますが、特に男性はその傾向が強く、一方女性は、明るい色でもデザインによってお洒落と感じるようです。
また、男女ともに単色よりも複数色がお洒落と感じやすく、単色であれば明度差によるコントラストでお洒落と感じる度合いが変わるようです。
参考資料『デザインを科学する 人はなぜその色や形に惹かれるのか』(サイエンス・アイ新書)
お洒落なデザイン
- バラバラより整列されている
- 微妙に変化を与える
- 図同士の間隔が狭い
バラバラな配列よりも整列されていて、さらに整列されている中に、微妙な変化があるとお洒落と感じるやすいです。また、図同士の間隔が狭い方がよりお洒落に感じることが多いと言われています。
参考資料『デザインを科学する 人はなぜその色や形に惹かれるのか』(サイエンス・アイ新書)
派手なデザイン
- 模様、素材、図同士の距離が狭いデザイン
- 不規則なデザイン
- 暖色系
デザインの派手さは、「図柄の大きさ」や「図柄の個数」や「図柄の総面積」によって変わります。
整った形より不規則な方が派手に感じ、また大きさに大小がある方が派手に感じとも言われています。
また、色で言えば暖色系が派手さを感じ、さらに色数(色相差)が多い方が派手だと感じるようです。
参考資料『デザインを科学する 人はなぜその色や形に惹かれるのか』
(サイエンス・アイ新書)
平凡なデザイン
- 規則的なデザイン
- 大柄なデザイン
- 寒色系
- 色より形
一般的に同一のデザインが規則的に続いていると「平凡」と感じやすいようです。さらにそれが枠で切り取られてるとより平凡なイメージを受けやすいとも言えます。
また、大柄なデザインも平凡と感じやすく、色で言えば、暖色系よりも寒色系の方が平凡に感じるようです。暖色系の色は絵柄が前に飛び出すように見える進出色であり、また行動を換気する色でもあるので平凡さを感じずらいのかもしれません。
色と形では、形の方が平凡さに影響をより与えると言われています。
参考資料『デザインを科学する 人はなぜその色や形に惹かれるのか』(サイエンス・アイ新書)
黄金比
名刺も黄金比
バランスの良い比率の代表は黄金比です。
最も安定していて、美しくみえると言われています。
黄金比は1対1.618の比率ので紀元前にピタゴラスやユーグリットが発見したそうです。
パルテノン神殿やモナリザなど多くの建築物やアート作品にも黄金比を見ることができます。また、トランプ、クレジットカード、ハイビジョンテレビ、新書、名刺などのも黄金比です。
ちなみに、1対3の比率は西洋的な雰囲気を醸し出しますが、1対2ですと日本的な印象になります。
白銀比
A版、B版の紙のサイズは両方が白銀比です。ともに長辺を2つ折りしても長辺と短辺の比率が変わりません。
ノートは白銀比
白銀比は日本古来の建築や彫刻によく用いられている比率だそうで、法隆寺や薬師三尊像などが代表的。また、風呂敷や畳も白銀比。正方形を基本としているので、いろいろ便利に使える比率と言えるのかもしれません。
また、日本人はこの比率をカワイイと感じるらしく、アンパンマンやアトム、バカボン、のらくろなどのの古くからあるキャラクターも白銀比でデザインされています。
日本語の色を表す形容詞
日本語の色を表す形容詞は「赤い」「青い」「白い」「黒い」の4つと、江戸時代に追加された「黄色い」と「茶色い」の6つだけしかないそうです。この6色は日本の伝統色の原色とういことになるんでしょうね。ちなみに日本の伝統色をネットで検索してみると400以上でてきます。
モダンデザインの流行の歴史
『デザインにひそむ〈美しさ〉の法則』(木全賢著・ソフトバンク新書)によるとモダンデザインの歴史は曲線と直線の流行を繰り返しているようです。
1920年代 |
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直線を基調とした幾何学的形態を使ったアール・デコが流行 |
1930年代 |
フォルクスワーゲン、ビートルに代表さえるような流線型が流行 |
1970年代 |
直線と鋭角を強調したスタイルが流行 |
1980年代 |
環境意識の高まりで再び曲線を主体とした有機的デザインが主流に。 |
デザインがわからないのは?
あまりピントこないデザインってありますよね。しかし、そのデザインが良いのか、悪いのかを判断するのは案外難しことです。時間が経って「あのデザインってけっこう悪くないな」なんて思う事もありますし。ただ、明らかに問題があるデザインがあるのも事実のようです。
「売れるデザインの発想法」(木全賢著)に、どのような場合に、デザインがわかならのか?ということが書かれていました。例えば以下のような場合。
- 1、「制作者の意図=物語」がわからない場合
- 2、利益優先の「制作者の意図=物語」しか感じない場合
- 3、「制作者の意図=物語」はあるけど、かっこ悪い場合
- 4、「色、形」がシンプルでなく、きれいでもない場合
- 5、「キャッチフレーズ=物語」がわからない場合
- 6、「キャッチフレーズ=物語」がかっこ悪い場合
物語というのは、商品や会社やお店の『歴史』や『コミュニケーションにベース』となるものという事かもしれません。そもそもデザインするものの物語が明確ではない場合は、良いデザイン、わかるデザインを作るのは無理ということなのでしょう。制作者がそのへんをおろそかにしたデザインはあまり良いデザインではないと言っていいのかもしれません。
赤の配色イメージ
一般的に赤の配色イメージは下記のように感じると言われているようです。
- 赤+黄
- 楽しさ(黄色の明るさが楽しいイメージを強調)
- 赤+黄+青
- 賑やか、騒がしい(動きがでる)
- 赤+黄+紫
- 派手
- 赤+黄+黒
- ダイナミック(躍動感)
- 赤+紫
- 刺激的
- 赤+紫+ピンク
- エレガント
白の配色イメージ
一般的に白の配色は以下のようにイメージされます
- 白+黒
- シャープ、フォーマル(強いコントラストがシャープに感じる)
- 白+黒+青紫
- シャープモダン(先進的イメージ)
- 白+ピンク
- かわいい
- 白+ピンク+黄緑
- ロマンティック(繊細で幻想的)
- 白+ピンク+コーラスピンク
- やわらかい、やさしい
黒の配色イメージ
一般的に黒の配色は以下のようにイメージされます。但し、加える色の面積で色の印象も変化します。
- 赤+黒
- 激しい(強い色同士が反発)
- 黒+赤のワンポイント
- 洒落た。モダン
- 赤+黒+黄
- ダイナミック
- 赤+黒+深い緑
- 野性的
- 深い緑+黒
- 理知的(重厚)
- 深い緑+黒+茶
- クラシック(歴史的な重み)
青の配色イメージ
静的なイメージの青に暖色を加えると動きがでます
- 白+青
- 若々しい
- 白+青+緑
- 新しい
- 白+青+黒
- シャープ、都会的
- 黄+青+白
- スピーディ(動きのある黄色が加わりスピーディに)
- 黄+青
- カジュアル(気楽なイメージ)
- 赤+青+黄色
- アクティブ(赤の動的な影響で動きがでる)
かわいいデザインとは
「かわいい」と感じるデザインは、一般的に「形が整っているデザイン」もしくは「整った配列をしているデザイン」です。単純に「小さい」や「やさしい色」や「丸みのある図柄」がかわいい訳ではありません。
また、図柄を重ねるよりも離した方がかわいいと感じやすいとも言えるようです。図柄の大きさはさほど関係がなく、逆に色はかわいいの評価に大きな影響を及ぼすと言われています。